目次
時間がない人向けに特徴を
- センサーで排泄を自動検知し、職員にリアルタイムで通知。
- 手動記録不要で職員の作業時間を削減、月平均22時間の作業時間削減実績。
- データはトイレ内で処理、ネットワーク送信なしでプライバシーを守る。
- 既存トイレに簡単設置、国内便器に幅広く対応。
- 専用アプリでリアルタイム通知、直感的に操作可能。
- 実証施設で業務負担軽減と利用者の尊厳保護を確認。
- 今後は3年間で2万台提供を目標。
どんな特徴がある?
「NECサニタリー利用記録システム」は、介護施設向けに設計された排泄管理支援システムで、エッジAIやIoT技術を活用して排泄記録を自動化することで、介護職員の業務負担を軽減し、利用者のプライバシーを保護するシステムです。このシステムは、主に介護施設の現場での効率化を目指して開発されており、利用者の排泄状況を自動で検知し、リアルタイムで職員に通知することが可能です。
自動排泄検知と通知機能
NECサニタリー利用記録システムは、トイレに設置されたセンサーを通じて、利用者の排尿や排便のタイミング、着座時間、便量、便の性状を自動で検知します。これにより、職員は手動での確認作業が不要となり、時間的な効率が大幅に向上します。また、長時間着座などの異常な状況も検知し、遠隔からの確認が可能です。必要に応じて職員が駆けつけることができ、排泄の自立を促すことができるため、トイレへの付き添いが最小限に抑えられます。
介護職員の業務負担の軽減
このシステムにより、介護職員は手動での排泄記録作成が不要になります。従来、手書きで行われていた排泄日誌の作成作業が自動化されるため、業務の効率化が図れます。これにより、職員一人あたり月平均22時間の作業時間が削減されたという実績もあります。さらに、このシステムは今後、介護記録ソフトウェアとの連携も進められており、排泄記録の管理がより簡単になる予定です。
プライバシー保護と尊厳の確保
介護現場での排泄介助は、利用者にとってデリケートな問題であり、特にプライバシーの保護が求められます。NECサニタリー利用記録システムでは、トイレでの利用状況に関するデータはトイレ内のセンサーで処理され、ネットワークを通じて外部に送信されることはありません。これにより、データの流出リスクが最小限に抑えられ、利用者のプライバシーが確保されます。また、職員がトイレ内に同行する必要が減少することで、利用者は自尊心を保ちながらトイレを利用することができます。
簡単な設置と運用
このシステムは、既存のトイレに簡単に取り付けることができ、特別な工事が不要です。国内の多くの便器に対応しており、センサーや排泄検知ユニットは便座内に収まるコンパクトな設計となっています。清掃時にもセンサーの取り外しが容易で、施設運営に支障をきたすことなく使用可能です。
スマートフォンアプリとの連携
職員は、専用のスマートフォンアプリを通じて排泄状況の通知を受け取ります。このアプリは、ウンログ株式会社と協力して開発されており、直感的な操作性が特徴です。排泄のタイミングや状況がリアルタイムで通知されるため、職員は適切なタイミングで介助を行うことができます。また、排泄記録の管理もアプリ上で一元化されるため、情報の共有や確認が容易です。
導入事例と効果
このシステムは、介護施設「大年寺山ジェロントピア」において先行導入されており、その効果が確認されています。導入後、職員の業務負担が軽減されただけでなく、利用者のプライバシー保護と自尊心の尊重が実現されました。また、システムの運用により、トイレ内での事故リスクも軽減され、利用者の健康管理にも寄与しています。
今後の展望
NECサニタリー利用記録システムは、今後さらに多くの施設に導入されることが期待されています。NECプラットフォームズは、今後3年間で約2万台の提供を目標としており、介護現場における業務効率化と利用者の尊厳保護に寄与するシステムとして注目されています。
まとめ
NECサニタリー利用記録システムは、介護現場における排泄管理の自動化と業務効率化を実現する先進的なソリューションです。エッジAIやIoT技術を駆使して排泄状況をリアルタイムで把握し、職員の負担を軽減しつつ、利用者のプライバシーを保護する仕組みは、少子高齢化が進む日本の介護現場において非常に有用です。このシステムの普及が進めば、より多くの施設で効率的な介護が実現され、利用者の生活の質向上に寄与することでしょう。
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