【おでかけキャッチ】認知症の方が誤って外出するのを防ぐ介護ロボット

 

 

時間がない人向けに特徴を

  • 認知症の方の徘徊を感知し、家族や介護者に警告するシステム​​。
  • 見守られる人には何も持たせず、家族や介護者が専用の認証キーを持つ​​。
  • 認証キーを持たない人がセンサーに感知されると徘徊とみなし、警告を発する​​。
  • 介護保険のレンタル対象製品で、本体ユニット、受信機、認証キーのセットで提供​​。
  • 製品価格は226,400円から、介護保険利用時の自己負担は月額864円から​​。

特徴は?

「おでかけキャッチ」は、認知症の方の徘徊を感知し、家族や介護者に知らせるためのシステムで、フランスベッド株式会社が提供する製品です。このシステムは、高齢化社会において増加する認知症の方々の安全を確保するために設計されており、従来の徘徊感知システムとは異なる新しいアプローチを採用しています。

背景

日本において認知症は深刻な社会問題となっています。厚生労働省の推計では、2025年には認知症の方が700万人に達する見込みです。これに伴い、家族や介護者が認知症患者を安全に見守るためのシステムやツールの需要が高まっています。認知症の方が外出してしまうと、迷子になったり事故に遭ったりするリスクがあり、そのような事態を防ぐための技術が求められています。徘徊は認知症の典型的な症状の一つであり、適切なケアがなければ、家族や介護者にとって大きな負担となります。

「おでかけキャッチ」の特徴

「おでかけキャッチ」は、認知症の方が徘徊しそうになった際に、専用のセンサーが動きを感知し、家族や介護者に音や光、画面表示で知らせるシステムです。このシステムの最も大きな特徴は、従来の徘徊感知システムが対象者に発信機やタグを持たせるのに対し、「おでかけキャッチ」では認知症の方に何も持たせないという点です。家族や介護者が専用の認証キーを持ち、このキーを持っている人がシステムのセンサー範囲を通過しても、通知は作動しません。これにより、見守られている認知症の方にストレスをかけず、自然な生活環境を維持することが可能となります。

従来のシステムでは、対象者が発信機を身に付ける必要があり、これが負担となったり、外してしまうことが問題でした。「おでかけキャッチ」では、家族や介護者が認証キーを持つため、認知症の方自身には何も負担がかからないという画期的な仕組みを導入しています。これにより、徘徊感知システムの信頼性と利便性が大幅に向上しました。

機能と仕組み

このシステムの基本的な構成は、本体ユニット、受信機、そして認証キーの3つの要素からなります。本体ユニットには人感センサーが搭載されており、認知症の方が特定のエリア、たとえば玄関を通過する際に感知します。センサーが作動すると、受信機を通じて音や光で家族や介護者にその情報が伝わります。一方、認証キーを持った家族や介護者が同じエリアを通過しても、システムはこれを識別し、通知は行われません。

このシステムの設置は比較的簡単で、推奨される検知範囲は約2メートル、通信距離は見通しの良い場所で最大400メートルとされています。これにより、離れた場所にいる介護者でも、認知症の方が外出を試みた際に即座に知ることができます。さらに、受信機は複数台設置可能で、広い範囲での監視が可能です。また、認証キーも複数追加できるため、複数の家族や介護者が同時に見守りを行うことができます。

利用のメリット

「おでかけキャッチ」の最大のメリットは、認知症の方にストレスを与えずに徘徊を防ぐことができる点です。従来のシステムでは、タグや発信機を持つことが負担となり、時にはそれを外してしまうこともありました。このようなケースでは、せっかくの徘徊防止システムが役に立たないことも少なくありませんでしたが、「おでかけキャッチ」ではこの問題が解決されています。認知症の方は普段通りの生活を続けることができ、家族や介護者は安心して見守ることができます。

また、このシステムは介護保険のレンタル対象となっており、利用者負担を軽減することができます。システム自体の価格は高額ですが、介護保険を利用することで月額864円からの低コストで利用することが可能です。これにより、多くの家庭で導入しやすく、介護負担の軽減につながります。

費用は?

介護保険のレンタル対象製品としても利用でき、費用面でもアクセスしやすく設計されています。本体ユニット、受信機、認証キーのセットで提供され、必要に応じて認証キーを追加することも可能です。製品価格は226,400円からで、介護保険利用時の自己負担は月額864円からとなっています​​​​。

認知症対策としての意義

日本政府は、認知症対策として「新オレンジプラン」を打ち出しており、認知症の方が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会を目指しています。「おでかけキャッチ」は、この方針に沿った製品であり、認知症の方が安全に自立した生活を続けるための重要なツールとなります。特に、一人暮らしの高齢者や、日中は家族が不在の家庭において、このシステムは大きな安心感を提供します。

今後の展望

高齢化が進む日本において、認知症対策の重要性はますます高まると予測されています。「おでかけキャッチ」のような徘徊感知システムは、今後さらに進化し、より多機能かつ使いやすい製品が登場することが期待されます。また、AIやIoT技術の発展に伴い、徘徊を事前に予測するシステムや、より広範囲での見守りが可能な技術も実現するかもしれません。

「おでかけキャッチ」は、認知症ケアの現場での負担を軽減し、認知症の方が安心して生活できる環境を提供する画期的なシステムです。これからの社会でさらに重要な役割を果たすことが期待されるでしょう。

 

詳細は、以下の参考からご確認ください
参考 公式ホームページ

 

認知症の高齢者の行方不明が過去最多になっている

認知症の高齢者が自宅から誤って外出してしまっていることが増えている。様々な対策が行われているが、過去最多の件数を更新してしまっているのが現状だ。常時GPSを装着していることは、好ましくないだろう。そもそも認知症の方がその機器を外してしまう可能性もある。靴にGPSがついていても、裸足で外出してしまうかもしれない。行方不明になり、そのまま見つからないケースはあまりにも悲しい。

実際に私の上司も同様のことが起きていた。仕事中に連絡があり、上司の家族が帰ってこないというのだ。親戚総出で近くを捜索をしたが、全く見つからない。私たちは認知症の方がどんなことを考えているのか、普段の仕事から少しは知っている。その上司も認知症の方への理解が深い。記憶にある中で行っていそうな場所を手当たり次第に探したら、なんとご兄弟の家の近くで発見できたという。そこは隣の市町村で、10㎞以上も離れた場所だ。認知症の方は、何も分からなくなって外出するのではない。若い頃の記憶が戻ってきて、外出してることがあるのだ。50年前の子育てをしている記憶が戻ってきて「子供を幼稚園に迎えに行かなくては」と外出する。この認知症の症状を全く防ぐことはできない。おでかけキャッチのような機器が普及し、悲しい事件が無くなることを願っている。

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