貸与型奨学金とは、学生が進学や学業を続けるために必要な資金を借りることができる奨学金制度です。この奨学金は返済義務があり、大学卒業後または一定期間後に返済を開始します。日本学生支援機構（JASSO）や地方自治体、民間団体など、さまざまな機関が貸与型奨学金を提供しています。
この記事では、貸与型奨学金の基本的な仕組み、利用するメリットと注意点、選び方、返済方法、そして利用時の心構えについて詳しく解説します。
目次
貸与型奨学金の基本的な仕組み
貸与型奨学金には、主に以下の2種類があります：
- 無利子型奨学金（第一種奨学金）
- 利子がかからないため、返済額が借りた金額と同額。
- 家庭の所得や学業成績によって支給条件が厳格に設定されています。
- 有利子型奨学金（第二種奨学金）
- 利子が発生しますが、金利は比較的低く設定されています（上限年3%）。
- 条件が無利子型よりも緩く、幅広い学生が対象です。
貸与型奨学金を利用するメリット
1. 進学の経済的負担を軽減
家庭の経済状況が厳しい場合でも、貸与型奨学金を利用することで、学費や生活費をまかなうことができます。
2. 将来の自己投資として活用可能
奨学金は将来のキャリア形成に向けた自己投資と考えられます。大学卒業後に得られる収入で返済することで、より高い収入やキャリアアップを目指せます。
3. 多様な進学選択が可能
進学費用の選択肢が広がることで、国公立・私立の選択や遠方への進学も視野に入ります。
注意すべきポイント
1. 返済義務がある
貸与型奨学金はあくまで借金です。返済計画を立て、卒業後に返済が難しくならないよう注意が必要です。
2. 利子に注意
有利子型奨学金の場合、金利が発生します。総返済額が借りた金額を上回るため、金利負担を理解して利用する必要があります。
3. 収入状況に応じた返済の難しさ
卒業後の就職先や収入が不安定な場合、返済が困難になることがあります。経済的な見通しを立ててから申し込みを検討しましょう。
奨学金の選び方
貸与型奨学金を選ぶ際のポイントを以下にまとめます：
1. 必要な金額を計算する
学費や生活費を考慮し、無理のない金額を借りるようにしましょう。
2. 無利子型を優先
利子の負担を避けるため、まずは無利子型奨学金の利用を検討します。無利子型が利用できない場合は、有利子型を選択する形になります。
3. 返済期間と月額を比較
借入額と返済額のシミュレーションを行い、無理のない範囲で選ぶことが重要です。返済期間が長いと月額負担は減りますが、利子負担が増える点に注意しましょう。
4. 地方自治体や民間奨学金もチェック
JASSO以外の奨学金も検討することで、自分に最適な条件を見つけることができます。
返済について
1. 返済開始時期
通常、大学卒業後6か月後から返済が始まります。一部の奨学金では、就職活動や収入の状況に応じて返済猶予が可能な場合もあります。
2. 返済方法
- 口座振替：指定された口座から自動引き落としされます。
- 一括返済：ボーナスなどを活用して繰り上げ返済を行うことで、利子負担を軽減できます。
3. 返済困難時の対応
失業や病気などで返済が困難な場合、返済猶予や減額返済の申請が可能です。JASSOのウェブサイトで申請方法を確認しましょう。
貸与型奨学金の賢い利用法
1. 返済計画を立てる
借り入れ前に、卒業後の収入を想定して返済計画を立てましょう。収入見通しが不透明な場合は、保守的に計画を立てることが大切です。
2. 節約と併用
奨学金だけに頼らず、アルバイトや節約を組み合わせることで、返済負担を減らせます。
3. 情報を集める
奨学金の条件やメリット・デメリットをしっかり理解し、自分に合ったものを選びましょう。家族や学校の進路指導担当者にも相談してみてください。
まとめ
貸与型奨学金は、進学のための大きな助けとなる制度ですが、返済義務がある点を忘れずに利用する必要があります。無理のない範囲で計画的に利用し、卒業後のキャリア形成につなげましょう。
また、奨学金制度の最新情報は定期的に確認し、自分に最適な選択肢を見つけることが重要です。これから奨学金を利用する大学生の皆さんが、安心して学業に専念できることを願っています。
