旧NISAと新NISAの徹底比較!非課税期間と投資枠の違いをわかりやすく解説

 

1. はじめに

NISA(少額投資非課税制度)は、個人投資家が投資を始めやすくするために設けられた制度です。2014年に「旧NISA」がスタートし、2024年から新しい制度「新NISA」が導入されます。この記事では、旧NISAと新NISAの違いについて詳しく解説します。


2. NISAの基本的な仕組みとは?

NISAは、一定額までの投資において、得られた利益(売却益や配当金)にかかる税金を非課税にする制度です。通常、投資による利益には約20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用すると税金が免除されます。

NISAには以下の3つの種類があります。

  • 一般NISA(旧NISA)
  • つみたてNISA
  • 新NISA(2024年開始)

以下、旧NISAと新NISAの具体的な違いを見ていきましょう。


3. 旧NISAと新NISAの主な違い

3.1 非課税期間の違い

  • 旧NISA:非課税期間は5年間です。
    例:2019年に投資した場合、非課税期間は2023年までとなります。5年経過後は、課税口座に移すか、ロールオーバー(次のNISA枠に移す)をする必要がありました。
  • 新NISA:非課税期間は無期限です。
    新NISAでは非課税期間が無期限となるため、投資を長期間保有しても税金の心配が不要になります。

3.2 年間投資枠と総投資枠の違い

  • 旧NISA:年間投資枠は最大120万円で、5年間で最大600万円でした。
  • 新NISA:年間投資枠が最大360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)に拡大し、総投資枠は1,800万円となります。

新NISAでは投資可能な金額が大幅に増え、より多くの資金を非課税で運用できます。


3.3 投資枠の構成(2階建て制度)

  • 旧NISA:投資枠に「一般投資枠」だけが存在しました。
  • 新NISA:「2階建て構造」が導入されます。
    1階部分は「つみたて投資枠」(長期・分散投資向け)
    2階部分は「成長投資枠」(株式投資や投資信託向け)

1階のつみたて投資枠での投資が前提となりますが、1階を利用しなくても2階の成長投資枠を利用できる柔軟な仕組みです。


3.4 投資可能商品

  • 旧NISA:個別株式、投資信託、ETF、REITなどが対象でした。
  • 新NISA:成長投資枠では個別株式や投資信託が対象ですが、金融庁が認定した「非課税枠に適した投資信託」に限定されます。

また、旧NISAでは一部ハイリスクな商品も対象でしたが、新NISAでは、投資対象がより安定的な商品に絞られる傾向があります。


3.5 口座の併用可否

  • 旧NISA:一般NISAとつみたてNISAのどちらか一方しか利用できませんでした。
  • 新NISA:新NISA制度内でつみたて投資枠と成長投資枠の両方を併用できます。

この併用可能な点が新NISAの大きな特徴であり、投資家の選択肢が広がります。


4. 旧NISAから新NISAへの移行はどうなる?

4.1 旧NISA口座の投資分

旧NISA口座で投資した分は、新NISA口座へ自動的に移行することはありません。旧NISAの非課税期間が終了した後は、

  1. 課税口座(特定口座や一般口座)に移管する
  2. 売却して新NISAの投資枠を使って再投資する
    といった選択肢があります。

4.2 つみたてNISA利用者の扱い

旧つみたてNISAを利用している場合、2024年からは新NISAへの切り替えが可能です。旧つみたてNISAは非課税期間が20年ですが、新NISAでは非課税期間が無期限となるため、長期投資において新NISAの方が有利です。


5. 新NISAのメリットとデメリット

メリット

  1. 非課税期間が無期限:長期的な資産形成が可能。
  2. 投資枠の拡大:総額1,800万円まで非課税で運用できる。
  3. 投資対象の柔軟性:つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能。
  4. 税制優遇の継続:従来のNISAより制度がさらに優遇される。

デメリット

  1. 制度の複雑さ:2階建て構造の理解が必要。
  2. 投資商品の制限:一部のハイリスク商品が対象外になる。

新NISAの仕組みを理解し、計画的に活用することが重要です。


6. 新NISAを活用するポイント

新NISAを最大限に活用するには、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 早めに投資を始める:非課税期間が無期限のため、早期の投資開始が資産形成のカギです。
  2. つみたて投資と成長投資のバランス:つみたて投資枠でコツコツ投資しつつ、成長投資枠で高リターンを狙う。
  3. リスク分散を意識:複数の商品に分散投資することでリスクを軽減できます。

7. まとめ:旧NISAから新NISAへの移行で知っておくべきこと

旧NISAから新NISAへの変更は、投資家にとって大きなチャンスです。新NISAは非課税期間の無期限化や投資枠の拡大が図られており、これまで以上に柔軟で有利な制度となっています。

  • 非課税期間:旧NISAは5年間→新NISAは無期限
  • 投資枠:旧NISAは最大600万円→新NISAは最大1,800万円
  • 口座の併用:旧NISAは選択制→新NISAは併用可能

投資初心者から上級者まで、新NISAを賢く活用することで、効率的な資産形成が実現します。2024年の制度変更を機に、新NISAの内容をしっかり理解し、計画的に投資を始めましょう。


新NISAは投資の自由度と非課税の恩恵が大きく、個人投資家にとって見逃せない制度です。資産形成を始めるなら、この機会を活かして新NISAを上手に利用してみてください。