特定扶養控除と扶養控除の違いを徹底解説!対象年齢や控除額の比較

 

日本の税制では、納税者が扶養している家族がいる場合に、所得税や住民税の計算において「扶養控除」を受けることができます。この扶養控除の中でも、扶養する家族の条件によって「一般の扶養控除」と「特定扶養控除」に分けられます。

 


1. 扶養控除とは?

扶養控除とは、納税者が扶養している親族がいる場合、その親族1人あたり一定の金額を所得から控除できる仕組みです。この控除により、所得税や住民税の負担が軽減されます。

1.1 扶養控除を受けるための条件

扶養控除を受けるには、以下の条件を満たす親族が対象です。

  • 納税者と生計を一にしている親族(配偶者を除く)。
  • 年間合計所得金額が48万円以下の人。(給与収入の場合、収入が103万円以下)
  • 16歳以上であること。

扶養控除は、扶養する親族の年齢や状況に応じて控除額が変わります。この中で、特定の条件に該当する場合に「特定扶養控除」として、より大きな控除が受けられる仕組みが設けられています。


2. 一般の扶養控除とは?

一般の扶養控除は、扶養する親族が以下の条件を満たす場合に適用されます。

2.1 対象者

  • 年齢が16歳以上19歳未満、または23歳以上70歳未満の親族。
  • 所得が48万円以下であること。

2.2 控除額

  • 所得税の控除額は38万円
  • 住民税の控除額は33万円

例えば、高校生の弟や大学を卒業して働いていない兄などが該当します。ただし、大学生など特定の条件に該当する場合は「特定扶養控除」が適用されます。


3. 特定扶養控除とは?

特定扶養控除は、扶養する親族が以下の条件を満たす場合に適用されます。

3.1 対象者

  • 年齢が19歳以上23歳未満の親族。
  • 所得が48万円以下であること。

19歳以上23歳未満の親族は、通常大学生や専門学校生が該当します。この年齢層は教育費や生活費が多くかかるため、特別に控除額が増える制度が設けられています。

3.2 控除額

  • 所得税の控除額は63万円
  • 住民税の控除額は45万円

例えば、大学に通う弟や姉などが該当します。この年齢層を扶養している場合、税負担の軽減効果が大きいのが特長です。


4. 扶養控除と特定扶養控除の違い

以下の表にまとめて、違いを整理します。

項目 扶養控除(一般) 特定扶養控除
対象年齢 16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満 19歳以上23歳未満
控除額(所得税) 38万円 63万円
控除額(住民税) 33万円 45万円
具体例 高校生の弟、高齢の親 大学生の妹や弟

4.1 年齢で区別する点

特定扶養控除は、教育費が最もかかる大学生世代を手厚く支援する目的で設けられています。一方、一般の扶養控除は、高校生や高齢の親を扶養している場合に適用されます。

4.2 控除額の違い

特定扶養控除の控除額は一般扶養控除よりも大きいため、該当する場合は節税効果が高まります。


5. 特定扶養控除の注意点

特定扶養控除を受ける際には、以下の点に注意が必要です。

5.1 所得制限に注意

扶養親族の所得が年間48万円を超える場合、扶養控除の対象外となります。これは、アルバイト収入が多い大学生にも影響するため注意が必要です。

5.2 年齢の計算基準

年齢の判断基準はその年の12月31日時点の年齢です。例えば、19歳の誕生日を迎えたばかりの場合でも、その年は特定扶養控除の対象になります。


6. 扶養控除を活用するメリット

扶養控除や特定扶養控除を適用することで、次のようなメリットがあります。

6.1 税負担の軽減

控除額が大きくなることで、所得税や住民税が軽減され、家計の負担が減少します。

6.2 家族の支援を評価

扶養控除は、家族を支援する納税者に対する評価として機能します。特に、教育費がかかる世代を扶養している家庭には、大きな助けとなる制度です。


7. まとめ

扶養控除と特定扶養控除の違いは、主に対象となる親族の年齢控除額の大きさにあります。特定扶養控除は、19歳から23歳未満の教育費がかかる世代を支える目的で設けられています。この年齢の親族を扶養している場合、節税効果が非常に高いため、正しく制度を理解し、活用することが重要です。

大学生の皆さんも、自分が家族の扶養に入っている場合、アルバイト収入が扶養控除に影響を与える可能性があるため、自身の収入状況を把握し、家族と話し合っておくと良いでしょう。